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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻4号

1985年04月発行

文献概要

今月の主題 膵・胆道の形成異常 主題症例

Pancreas divisumに発生し,2年6か月間の経過観察をした膵癌の1例

著者: 大橋計彦1 村上義史1 竹腰隆男1 伊谷賢次1 久保啓吾1 高柳富士子1 高木国夫2 翁秀岳2 太田博俊2 大橋一郎2 平岩隆男3 桜井賢二3 川口隆3 加藤洋4 柳沢昭男4 小沢昭司5

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属病院外科 3癌研究会附属病院放射線科 4癌研究会附属病院病理 5小沢胃腸科

ページ範囲:P.397 - P.402

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要旨 63歳,女性.手術2年6か月前に心窩部の激痛があり,血清,尿アミラーゼは著しい高値を示した.胃X線検査で胃体部小彎に胃外性圧排がみられた.副乳頭挿管によるERCPで,divisumを伴う背側膵炎と診断した.手術1か月前,心窩部痛が再来し背部痛,食欲不振を伴った.血清,尿アミラーゼともに低値を示し胃外性圧排も前回より著明となった.ERCPで頭部と体部の2か所に主膵管の不整狭窄がみられ,重複膵癌と診断.CT,血管造影でも切除可能な重複膵癌と診断し,膵全摘を施行した.病理検索では体尾部から頭部まで拡がった1つの膵癌であった.膵管癒合不全例に発生し,2年6か月の観察を行った例でERCP像,胃体部圧排,アミラーゼ値の経過を中心に報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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