icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻4号

1985年04月発行

研究

胆嚢造影陰性胆嚢結石例の臨床病理学的検討―特に腸上皮化生からみた

著者: 浅野栄一1 永川宅和1 宮崎逸夫1 小西二三男2

所属機関: 1金沢大学医学部第2外科 2金沢医科大学病理

ページ範囲:P.441 - P.446

文献概要

要旨 慢性胆嚢炎合併胆嚢結石506例について,光顕組織学的に胆嚢粘膜の腸上皮化生を結石の種類,年齢,胆嚢像描出の有無別に調べた.特に杯細胞のみられる腸上皮化生の出現頻度を比較検討した結果,胆嚢造影陰性胆嚢結石例では胆嚢癌周辺粘膜にみられるような腸上皮化生が高率に出現していた.更に,この腸上皮化生の特性ならびに分布をみるために慢性胆嚢炎合併胆嚢結石54例の新鮮摘出胆嚢標本を用いて,酵素化学的活性法による検討を行った結果,この腸上皮化生はALP活性を欠いており,胆嚢造影陰性例ではびまん性の分布状態を呈していた.以上の成績からみると胆嚢造影陰性胆嚢結石における胆嚢粘膜は癌発生の素地になる可能性があると推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら