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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻5号

1985年05月発行

今月の主題 食道静脈瘤の硬化療法

主題

食道・胃静脈瘤の内視鏡的硬化栓塞療法―ETP法の実際と予後

著者: 幕内博康1 田中豊1 杉原隆1 三富利夫1 椎名泰文2 野見山哲2 三輪剛2 山崎栄龍3 熊谷義也3 都築俊治4

所属機関: 1東海大学医学部外科 2東海大学医学部内科 3慶応がんセンター 4慶応義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.497 - P.505

文献概要

要旨 近年,食道・胃静脈瘤に対する内視鏡的硬化栓塞療法が普及し,緊急止血のみならず,持続的な静脈瘤消去効果も期待しうるものとなっている.われわれは1983年から無水アルコール,ヒトトロンビン,1%Aethoxysklerolを血管内に注入するETP法を行っており,現在までに183例(723回)に施行した.緊急止血率は93.8%であり,158例86.3%がほぼ完全に静脈瘤の消失をみた.肝不全で死亡したものは8例4.4%である.嚥下困難感や軽度の疼痛などのほか,重症合併症はない.長期予後をみると,6か月後に軽度の静脈瘤が再発したものが4.7%,12か月で8.9%であり,再出血を来したものは2例である.まだ問題点は残っているが,将来,内視鏡的硬化栓塞療法が食道・胃静脈瘤の治療の第一選択となると確信している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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