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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻5号

1985年05月発行

文献概要

症例

口腔,陰部潰瘍および特異な潰瘍配列を示した小腸・大腸Crohn病と考えられる1例

著者: 原口靖昭1 吉田隆亮1 麻生和義1 神戸光1 岩下徹1 田仲謙次郎1 島山俊夫2 香月武人2

所属機関: 1宮崎医科大学第1内科 2宮崎医科大学第1外科

ページ範囲:P.535 - P.539

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要旨 患者は20歳男性で下痢,口腔内潰瘍,陰部潰瘍のため入院した.下痢は3か月,ほかは1か月持続した.入院時X線,内視鏡検査では回腸から直腸まで,びまん性に多数の小潰瘍があり,左側結腸では周堤を伴う不整形の浅い潰瘍を認めた.また,部分的には潰瘍が縦配列を示し,縦走潰瘍像を呈した.入院後,100日間prednisolone,salazosulfapyridineなどによる保存的治療を続けたが,大量下血が改善しないため,大腸亜全摘を施行した.病理組織学的検査では,潰瘍はUl-Ⅱの浅い潰瘍で炎症の主体は粘膜内に限局しているが,潰瘍底部にあたる部分では炎症細胞浸潤は漿膜にまで達していた.以上の所見より縦走潰瘍,全層性炎症,更にアフタ性潰瘍を初期病変とした小腸・大腸Crohn病と考えた.自験例のごとき縦走潰瘍の初期と思われる所見は今後Crohn病を検討するのに際して興味ある事象と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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