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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻5号

1985年05月発行

症例

特異な形態を示した巨大な胃好酸球肉芽腫の1例

著者: 石橋勝1 水島和雄1 久保英機1 原田一道1 岡村毅与志1 並木正義1 仲綾子2 佐藤冨士夫2

所属機関: 1旭川医科大学第3内科 2勤医協中央病院病理

ページ範囲:P.541 - P.547

文献概要

要旨 患者は41歳の女性で主訴は悪心.胃X線検査にて前庭部に巨大な軟らかい感じの隆起性病変を認め,内視鏡検査では表面平滑な粘膜下腫瘍様隆起で,表面に小さく浅い潰瘍形成をみた.広基性病変であるが頭部は移動性があり,一部は十二指腸球部へ出たり入ったりしていた.術前に悪性リンパ腫を疑い手術を行った.切除胃の肉眼所見では,10×10cmの大脳回転を思わす巨大な隆起性病変であり,隆起部を持ち上げると,隆起の茎部は約5cmと広く,胃粘膜の皺襞の上に乗っかっており,有茎性であることがわかった.また一部に浅い潰瘍を認めた.割面では腫大した皺襞に一致して,粘膜下層を中心とする肥厚を認めた.組織学的には粘膜の底部から粘膜下にかけて線維性の結合組織の増生と線維芽細胞の増加が認められた.線維は細く,かつ巻くような配列もみられ,神経線維を思わせる像であったが,線維の硝子化などは認めなかった.その中に好酸球が多数浸潤しており,組織学的には典型的な胃好酸球肉芽腫であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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