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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻5号

1985年05月発行

文献概要

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海外文献紹介「慢性膵炎の経過と転帰」

著者: 舩冨亨1

所属機関: 1関東逓信病院消化器内科

ページ範囲:P.513 - P.513

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 Course and outcome of chronic pancreatitis: Ammann RW, Akovbiantz A, Largiader F, et al (Gastroenterology 86: 820-828, 1984)

 慢性膵炎の自然経過はまだよくわかっていない.著者らは20年間にわたって245人の慢性膵炎患者について疼痛,膵機能,石灰化,手術,生存率についてprospectiveに検討した.その結果,アルコール性石灰化膵炎145人では85%に発症から平均4.5年以内に疼痛の緩和がみられ,石灰化と膵機能障害は病悩期間が長くなるにつれて進行する.すなわち石灰化は慢性膵炎発症後5.12年,膵機能不全は平均5.6年以内,糖尿病は平均5.72年以内に起こっており,患者の3/4は約8年以内にこのstageに入る,疼痛の緩和は著しい膵機能の悪化,石灰化の増加の時期にほぼ一致している.これは痛みが膵の分泌能力に関係していることを示唆している.また,アルコール性再発性膵炎のうち主としてpseudocystによる疼痛の持続・再燃を繰り返す76人は手術がなされているが,永続的な疼痛の緩和を示した患者の割合は手術例,非手術例において同様で,その手術方法においても差異はみられなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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