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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻7号

1985年07月発行

今月の主題 小腸診断学の進歩―実際から最先端まで

主題研究

Crohn病の空腸生検標本の電顕像―特に吸収上皮細胞について

著者: 山本勉1 藤田晃一1 八尾恒良1

所属機関: 1福岡大学医学部第1内科

ページ範囲:P.781 - P.788

文献概要

要旨 大腸および遠位側小腸に主病変を有するCrohn病患者8名に小腸内視鏡を施行し正常粘膜部および微小瘢痕部を直視下に生検し,電顕的検討を行った.正常粘膜部では半数以上の症例の吸収上皮細胞にライソゾームの増加,自己貧食胞が認められ,微小瘢痕部では全例にライソゾームの増加,自己貧食胞が存在し,更に自己貧食胞の遺残物よりなる大空胞が認められた.これらの所見は微小瘢痕部のみならず内視鏡的正常粘膜部にも異常があり,何らかの刺激により病変が引き起こされる可能性が示唆され,Crohn病が消化管にびまん性異常を来す疾患であるという概念に合致すると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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