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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻8号

1985年08月発行

文献概要

今月の主題 大腸癌の発育・進展 主題

Retrospectiveにみた大腸癌の発育・進展―X線像による遡及的検討

著者: 牛尾恭輔1 志真泰夫1 後藤裕夫1 村松幸男1 高安賢一1 森山紀之1 松江寛人1 笹川道三1 山田達哉1 市川平三郎2

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2国立がんセンター

ページ範囲:P.843 - P.858

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要旨 1年以上の間隔で2回以上の注腸X線検査が施行され,国立がんセンターにて切除された大腸癌18例20病変を対象とした.これらの病変についてX線学的に,大きさおよび形態上の推移,doubling time,発育パターンを検討し,以下の知見と推論を得た.①切除時に早期癌であった群のdoubling timeの平均は51.7か月,進行癌であった群では11.4か月であった.②3回以上の注腸検査歴があった進行癌の3例で,腫瘍径の増大をみると,発育パターンは直線ではなく,二次曲線に近いものであった.③進行癌になった群では,発育速度は病変の大きさに比例して,速くなる傾向がみられた.④進行癌の初期像と思われる13病変中10病変は,6~15mm大の無茎の隆起性病変であった.⑤進行癌へと発育・進展してゆく主経路は,無茎の隆起性病変が有茎になることなく,そのまま無茎の早期癌を経て,進行癌になる経路であろうと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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