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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻8号

1985年08月発行

今月の主題 大腸癌の発育・進展

主題研究

大腸癌の組織発生とその早期における発育過程

著者: 中村恭一1 渋谷進1 西沢護2 牧野哲也2

所属機関: 1筑波大学基礎医学系病理 2東京都がん検診センター

ページ範囲:P.877 - P.888

文献概要

要旨 大腸癌組織発生の解析には“腺腫の良性悪性の診断が客観的になされる”ということが前提となることは明らかである.その良性悪性の客観的診断の指標となる異型度係数,すなわち乱れ係数(ISA),核腺管係数(ING),および重複ドーナツ係数(IDD)を用いて大腸癌組織発生の解析を,更にはその立場からみた大腸癌の早期における発育・進展の検討を行った.その結果,大腸癌の70~80%は大腸粘膜から発生するde novo carcinomaで,残り20~30%が腺腫由来であるとみなされた.したがって,全身臓器における癌組織発生のなかで,大腸癌のみが腺腫を経由するという特殊性は認められない.そして,大腸粘膜由来の癌と腺腫由来の癌では,早期における発育・進展様式が異なることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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