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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻8号

1985年08月発行

文献概要

研究

大腸の腺腫と早期癌の形態推移

著者: 工藤進栄1 武藤輝一1 山本睦生1 下田聰1 畠山勝義1 小山真1 須田武保2 曽我淳3 富沢峰雄4

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科 2新潟大学第1病理 3新潟大学医療短期大学部 4新潟大学第3内科

ページ範囲:P.903 - P.910

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要旨 大腸早期癌から進行癌へ発育増殖する過程で,肉眼形態がどのように変化するかを老察するため,腺腫417,早期癌220(m癌107,sm癌113),pm癌61の各病変につき肉眼形態と大きさ,腺腫混在率,腺腫成分の割合,腫瘍発生部位ならびにsm浸潤度分類,pm浸潤度分類から検討を行った.早期癌の形態推移には2つの大きな流れがあり,Ip,Ipsの形態で癌化し,15mm前後でsm癌へ移行し,sm1c以上の浸潤レベルでIs方向へ向かう流れ(mountain route)と,Ⅱaあるいは微小Isの形態で癌化し,早期に10mm前後でsm癌へ移行し,15mm前後のsm2~3の浸潤レベルでⅡa+Ⅱcへ向かう流れ(direct route)の両者が存在することが示された.また腫瘍の発生部位により両者の頻度が大きく異なることが示された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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