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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻9号

1985年09月発行

文献概要

今月の主題 胃癌診断におけるルーチン検査の確かさ―部位別・大きさ別の検討 主題

胃癌診断におけるルーチン検査の確かさ―集団検診からみて

著者: 吉田裕司1 田村浩一1 有末太郎1 手林明雄1 山口由美子1 檜山繁美1 池田成之2

所属機関: 1北海道対がん協会検診センター内科 2北海道対がん協会旭川がん検診センター内科

ページ範囲:P.943 - P.947

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要旨 X線,内視鏡を使っての胃癌の診断は飛躍的進歩を遂げ2~3mmの微小胃癌の発見も可能になってきているが,一方,大きな進行癌が見逃されることもそう少ない経験ではない.そこで,今回胃集検における間接X線診断の精度を検討し,今後の改善の方向性を考えてみた.1970~1982年度の北海道対がん協会の胃集検,総受診数1,644,658,発見癌2,017を対象としaccidentally detected cancer法(以下ADC法)により偽陰性率を算出すると,合計で29.7%,X線無示現が要因のもの14.8%,読み落としが要因のもの10.4%であった.更に胃癌の部位,大きさ別に検討すると,胃上部・後壁・大彎で無示現,読み落としとも多く,小病変で無示現が多かった.これらの病変を更に良く現す撮影法の改善と,double readingなど読み落としを減少させる読影の工夫が必要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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