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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻9号

1985年09月発行

文献概要

胃と腸ノート

食道アカラシアに対するブジー療法

著者: 伊藤克昭1

所属機関: 1愛知県がんセンター第1内科

ページ範囲:P.948 - P.948

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 食道アカラシアに対する非外科的治療法には,ブジーを用いた受動的拡張療法とpneumatic dilatorによる強制噴門拡張療法とがある.前者は,1900年代前半までは治療の主流であったが,治療効果が一過性で不十分とのことで,pneumatic dilatorの普及に伴い顧みられなくなった.しかし,60 French(φ20mm)の太径ブジーを使用すれば治療効果の持続が長く,pneumatic dilatorに比し手技が簡単で安全であるので外来で施行できることからブジー療法が再評価されている(Gastrointest Endosc 28: 169-172, 1982).私どもも太径ゴム製ブジーによる食道アカラシア治療を試み良好な成績を得ているので紹介する.

 治療法は,Fig.1に示した市販のMaloney mercury-filled tapered esophageal bougie (Pilling Co.)60 Frenchを使用し,Mandelstamらの方法(前出文献)に準じ噴門部を6回往復させた後に1分間留置した.自験例は10例で,経過観察期間平均18か月の時点の治療成績は,自覚症状のない著効例が4例,軽度のつかえ感を時々自覚するが日常生活に支障のない有効例が5例,無効例は1例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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