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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻9号

1985年09月発行

文献概要

今月の主題 胃癌診断におけるルーチン検査の確かさ―部位別・大きさ別の検討 主題

早期胃癌診断におけるルーチン検査の確かさ―内視鏡検査(panendoscopy)からみて

著者: 西沢護1 野本一夫1 細井董三1 岡田利邦1 牧野哲也1 山田耕三1 志賀俊明1 古沢英紀1 徳重順治1 稲垣勉1 泉正治1 尾辻章宣1

所属機関: 1東京都がん検診センター

ページ範囲:P.949 - P.954

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要旨 (1)50歳以上の胃集検対象者から12,405人を無作為に選び出し,細径panendoscopyを全員に施行したところ,胃癌183例(男性135例,2.04%:女性48例,0.82%)が発見された.これらのうち早期癌は126例,131病変であった.これらの群から発見された早期癌は,外来診療や胃集検などのように幾つかの網目を通して選択され発見された早期癌よりも,微小病変が多く,またC領域,前壁,大彎などの拾い上げの難しい病変が多かった.(2)全員にpanendoscopyを施行した12,405人のうち1982年4月までにpanendoscopyが行われた4,911人からは82例の胃癌が発見された.胃癌なしとされた4,829人に対して,初回のpanendoscopy施行後1年から5年の間に追跡調査を行い,14例の胃癌が発見されたが,そのうち進行癌が6例あった.6例の進行癌はすべて3年以内に発見され,C領域のものかスキルスであった.追跡調査で発見された進行癌は,全発見胃癌96例中の6.3%であった.また,初回の内視鏡検査で誤診例と考えられるものは,7例(7.3%)であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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