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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻9号

1985年09月発行

今月の主題 胃癌診断におけるルーチン検査の確かさ―部位別・大きさ別の検討

主題

胃癌診断におけるルーチン検査の確かさ―X線検査の立場から

著者: 浜田勉1 加治文也1 窪田久1 浦野薫1 三輪洋人1 鎗田正1 白壁彦夫1 池延東男2

所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科 2早期胃癌検診協会

ページ範囲:P.961 - P.967

文献概要

要旨 (1)prospective study:1983年1月~1984年12月に初回ルーチンX線検査を6,168例行い,うち1,006例(16.3%)に内視鏡検査を施行した結果,見逃し例も含め81例の癌を発見した(発見率1.31%).X線診断の確かさは,癌とした73.3%,癌の疑いとした17.6%に癌を認めた.不確かさは,潰瘍とした4.3%,潰瘍瘢痕とした0.9%,良性隆起性病変とした3.3%,軽微な所見とした1.0%に癌を認めた.部位別にみた病の拾い上げと診断の確かさをみると,前壁では数は少ないが明らかな異常のみを拾い上げており,小彎や後壁では拾い上げの約80%を占めたが読み過ぎの傾向がみられた.(2)retrospective study:1980年1月~1984年12月に切除し病理検索できた早期癌70例82病変について,ルーチンX線検査の成績を検討した.大きさ別にみると,1cm未満の拾い上げは難しく,1cm以上3cm未満のものでも,隆起型の27.3%,陥凹型の32.4%を見逃していた.部位別には,前壁や大彎の拾い上げが悪かったが,多発病変や変形胃がその原因であり,後壁や小彎では,読影ミスによる見逃しが多かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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