今月の主題 胃癌診断におけるルーチン検査の確かさ―部位別・大きさ別の検討
主題
胃癌診断におけるルーチン検査の確かさ―内視鏡・X線併用からみて
著者:
政信太郎1
西俣寿人1
中原晋一1
米沢善照1
丸山大介1
朝倉孝之1
野口昌宏1
中村勇一1
尾辻真人1
西俣嘉人1
唐仁原寛1
丸田修士1
青崎真一郎1
西俣寛人1
橋本修治1
中原信昭2
所属機関:
1鹿児島大学医学部第2内科
2鹿児島市立病院消化器内科
ページ範囲:P.973 - P.977
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要旨 (1)X線,内視鏡検査両者併用によるルーチン検査の診断について部位と大きさの面から検討した.(2)対象として5mm間隔で全割された早期胃癌238病変(切除標本の検索によって発見されたものを含む)を用いた.(3)238病変の分布は壁別にみると大彎<前壁<小彎<後壁で,区分別にみると区分法1では噴門部<幽門部<A<M<C,区分法2では噴門部<幽門部<胃角部<前庭部<胃体部であった.(4)X線,内視鏡検査両者併用によって発見できなかった病変が60病変あった.5mm以下が63.3%を占め,11~20mmに見落としが5病変8.3%あった.(5)20mm以下の早期癌の発見率は74.8%で大きさ別にみると5mm以下40.6%,6~10mm 69.6%,11~20mm 95.8%であった.(6)区分別に発見率をみると,区分法1では幽門部,Aの後壁,大彎,Mの大彎,Cの前壁が低く,区分法2では幽門部,前庭部,後壁,大彎,胃角部前・後壁が低かった.