icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻9号

1985年09月発行

Coffee Break

Far East Nippon

著者: 武藤徹一郎1

所属機関: 1東京大学第1外科

ページ範囲:P.998 - P.998

文献概要

 Crohn病は欧米で多い病気だ.最近の報告ではどの国でも頻度が上昇しており,術後の再発率が高いうえに内科的治療法も確立していないやっかいな病気で,“clinically malignant”などと嘆かれるのも無理はない.

 Crohn病の原因は何だろうか?最近ではmycobacterium説が出ているが,一時はウイルス説が有力であった.いや,現在でも有力な説の1つである.患者の腸管のホモジェネートを濾過してマウスの足底に注射したところ,肉芽腫が形成されたというCaveらの実験報告は大変センセーショナルで,わが国でも追試されたと思われる,その後間もなく学会で会ったMorson日く“あの肉芽腫は異物性のもので,注入時に毛でも入ったんじゃないか.ちゃんとした病理学者が標本をみていないのだから……”.その後,この研究に発展がみられた形跡がないのは周知のとおりである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら