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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻9号

1985年09月発行

文献概要

研究

exulceratio simplex(Dieulafoy)の4例と過去14年間の本邦報告例の文献的考察

著者: 池田耕1 石田照佳2 立石春雄3 花宮秀明3 大脇義人3

所属機関: 1池田胃腸科外科クリニック 2九州がんセンター胸部外科 3麻生飯塚病院外科

ページ範囲:P.999 - P.1005

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要旨 4症例5病変のDieulafoy潰瘍を経験し,全例緊急内視鏡検査で診断し,緊急手術にて救命しえた.本疾患の病態は動脈硬化の二次的な変北による動脈瘤説と動脈走行異常説とがあるが,最近の文献では後者の説が多い.過去14年間に本邦にてDieulafoy潰瘍として報告された28例に,胃粘膜内動脈瘤破綻例2例を加えた総計34例35病変の文献的考察を行った.年齢は11歳から80歳に及び,平均年齢は男57歳,女59歳であり,男女比は4:1であった.90%は吐血を主訴とし,全例ショックまたはプレショックで受診し,病巣は不明1例を除き,全例胃体中部以上にあった.吐血から診断または外科的処置まで平均5.7日を要し,救命率70.5%,死亡率8.8%,不明20.5%で,本症の認識と緊急内視鏡検査の重要性が強調された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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