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文献詳細

雑誌文献

胃と腸20巻9号

1985年09月発行

症例

胃石を伴った残胃癌の1手術例

著者: 田中丈二1 亀山仁一1 豊野充1 八木聡1 塚本長1 坪井正夫2

所属機関: 1山形大学医学部第1外科 2山形大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1017 - P.1020

文献概要

要旨 患者は46歳の男性で,16年前に十二指腸潰瘍にてBillroth Ⅱ法による広範囲胃切除術を受けた.7か月にわたる上腹部膨満感と黒色便を主訴として来院し,臨床検査成績上では軽度の貧血を呈したのみであったが,上腹部に小児頭大の腫瘤を触知し,上部消化管造影(Fig. 1),胃内視鏡検査(Fig. 2)にて巨大な胃石を認めた.これに対し,内視鏡的に3度にわたってポリペクトミースネアを用いて砕石し,完全に除去した.しかしこの処置の際,内視鏡にて白苔を伴った潰瘍形成が吻合部にみられた(Fig. 3).その後の上部消化管造影にても,胃壁の不整,狭窄の所見が吻合部近傍に認められた(Fig. 4).生検の結果,中等度分化型腺癌であった.この患者に対し胃の再切除を行いRoux-en Y吻合にて再建し根治しえた.切除標本(Fig. 5)では肉眼的に吻合部の狭窄を起こしたのであろう,悪性を思わせる隆起牲病変が吻合部に認められ,組織学的には中等度分化型腺癌の像を呈していた(Fig. 6).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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