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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻1号

1986年01月発行

文献概要

今月の主題 消化管の“比較診断学”を求めて(1) 主題

胃・大腸・胆嚢早期癌の肉眼形態の比較

著者: 渡辺英伸1 田口夕美子1 味岡洋一1 鬼島宏1 内田克之1 人見次郎1

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.57 - P.63

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要旨 過去4~6年間に外科的切除材料に発見された,早期胃癌1,195病変,早期大腸癌104病変,早期胆囊癌44病変を用いて(微小癌を除く),各臓器間での肉眼形態の差およびそれが生ずる原因を検討した.Ⅰ型部を有する癌の頻度は,大腸に最も高く(53%),次いで胆囊(30%),胃(8.1%)の順であった.低い隆起型を持つ癌の頻度は,胆囊(46%),大腸(39%),胃(18%)の順で,Ⅱb型癌のそれは胆囊に極めて高かった(25%).陥凹型癌の頻度は,胃に有意に高く(57%),大腸で1.0%,胆囊では0%であった.大腸では,胃や胆囊に比べて,腺腫内癌の頻度が高かった.胆囊では,特に,随伴性Ⅱb型が高頻度にみられた(39%),これら臓器での,早期癌の肉眼形態の差は,癌の組織型,癌の発生母地,癌の存在環境(胃酸,結石,蠕動,臓器の壁構造)から生ずると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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