文献詳細
今月の主題 消化管の“比較診断学”を求めて(1)
主題研究
文献概要
要旨 手術または解剖例で,小腸炎症性疾患の肉眼的特徴を調べ,X線診断の基礎とした.また,術前の小腸二重造影像を検討し,炎症性疾患の理論的診断学を考察した.(1)組織的,臨床的に診断の確実な炎症性疾患45例284病変の肉眼所見で,潰瘍の形と病変の分布を組み合わせると,各患者に特徴的な所見が認められた.(2)術前2週間以内に二重造影法が施行され,病変部位がX線上に同定された118病変(狭窄を除く)で,潰瘍の形と変形との関係をみると,変形から潰瘍の形がある程度推定できた.(3)ニッシェの描出能は,潰瘍の形・大きさ・位置で異なる.ニッシェが描出されないものでは,辺縁像を参考にして読影すれば,性状診断ができる.
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