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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻1号

1986年01月発行

文献概要

症例

大腸アメーバ症の1例

著者: 松井敏幸12 岩下明徳3 杉山謙二14 前田信敏14 佐田増美1 飯田三雄2

所属機関: 1佐田病院 2九州大学医学部第2内科 3松山赤十字病院病理 4福岡大学医学部第1内科

ページ範囲:P.103 - P.107

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要旨 患者は75歳,男性.1983年8月上旬より粘血便が始まり8月5日入院.大腸透視にて横行結腸にⅡa+Ⅱc様の不整形潰瘍,横行結腸から盲腸にかけて多数のたこいぼ状のびらんを認めた.大腸鏡検査にても同様に不整形の潰瘍と盛り上がりの強いびらんを認めた.潰瘍を生検し,潰瘍の壊死物質中に赤痢アメーバを認め,大腸赤痢アメーバ症と診断した.metrcnidazole 1,500mg投与にて症状は完全に消失し,大腸鏡にても治癒が確認された.本症例ではX線・内視鏡検査でアメーバ赤痢が疑われたが,通常の糞便検査にては虫体が確認されず,潰瘍部からの直接生検にて虫体が証明され,確診された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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