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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻10号

1986年10月発行

今月の症例

特殊な治癒経過をたどった胃潰瘍の1例

著者: 芦田潔1 折野真哉1 大柴三郎1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科

ページ範囲:P.1050 - P.1051

文献概要

 ヒスタミンH2受容体拮抗剤による消化性潰瘍,特に胃潰瘍の治療中に潰瘍底に白色隆起が観察されることがある.今回,治癒過程期に白色隆起が出現した胃潰瘍の1例を呈示する.

 通常,慢性潰瘍は病理組織学的に4層構造(表層から浸出層,壊死層,肉芽層,線維層)がみられる.しかし,本例の白色隆起には壊死部がほとんどみられなかった.したがって,白色隆起の成因はH2受容体拮抗剤の強力な酸分泌抑制作用によって,肉芽組織が壊死に陥ることなく増生するためと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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