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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻10号

1986年10月発行

今月の主題 受容体拮抗薬のもたらした諸問題

主題

消化性潰瘍―内科的治療か外科的治療か

著者: 青木照明1 秋元博1 柏木秀幸1 羽生信義1 高山澄夫1 梅沢充1 鳥海弥寿雄1 関根千秋1 長尾房大1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第2外科

ページ範囲:P.1089 - P.1095

文献概要

要旨 H2-receptor antagonists(以下H2-RAsと略す)出現以後,消化性潰瘍の要手術症例総数は激減したが,穿孔,出血,狭窄などの合併症性潰瘍症例の比率は80~90%と増大し,その絶対数はH2-RAs出現以前と変わらず,潰瘍症のnatural historyは変わっていない.H2-RAs以後,出血性潰瘍の緊急手術率は半減したが,穿孔例を加えた緊急手術率は増大し,救命手術が優先される結果,潰瘍症自体に対する有利な標準手術が行われにくくなった.H2-RAs治療歴を有する十二指腸潰瘍症例のgastrin反応は高い傾向を示し,病態の悪化・進行が認められた.H2-RAsによる長期維持療法を要する患者,薬物治療のcomplianceの悪い患者には可及的早期に外科治療を考慮すべきと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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