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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻10号

1986年10月発行

症例

十二指腸偽メラノーシスの1例

著者: 長野豊1 石田直1 冨田哲也1 岡田幾太郎1 岸田慶子1 大草知子1 中原由紀子1 中原保治1 冨田誠人1 牛田伸一1 門屋誠1 松山榮一1 桂榮孝2

所属機関: 1国立姫路病院内科 2国立姫路病院研究検査科(病理)

ページ範囲:P.1113 - P.1116

文献概要

要旨 患者は71歳,女性.高血圧症と糖尿病,蛋白尿にて外来通院中,体重減少とCEAの軽度上昇を来し,精査施行.上部消化管透視,注腸透視ともに異常なく,内視鏡検査にても食道・胃には特記すべき所見はなかったが,十二指腸球部に限局して褐色の小粒状色素沈着をびまん性に認めた.粘膜自体には異常なく,生検では粘膜固有層に散在する色素沈着がみられ,H・E染色で黒褐色に染まる集塊を形成,Fontana-Masson染色では黒色陽性に染色された.これらの点から十二指腸偽メラノーシスと診断した.文献上本邦での報告例はなく,海外での報告例を検討すると,女性に多く,降圧剤服用中の高血圧症や腎疾患の合併例が多いなどの特徴がみられ,興味深い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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