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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻10号

1986年10月発行

文献概要

症例

下咽頭癌に同時性に重複した食道微小癌の2例

著者: 多幾山渉1 高嶋成光1 森田稔2 小池聰之3 森脇昭介4

所属機関: 1国立病院四国がんセンター外科 2国立病院四国がんセンター放射線科 3国立病院四国がんセンター耳鼻科 4国立病院四国がんセンター病理

ページ範囲:P.1123 - P.1127

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要旨 〔症例1〕62歳,男性.咽頭痛を主訴に来院し下咽頭癌と診断され入院した.食道透視,内視鏡検査では病変を指摘できなかったが,内視鏡ルゴール法によりImに小不染域を認めた.切除食道の病理組織検査により2個の粘膜内微小癌病巣を確認した.〔症例2〕69歳,男性.右頸部腫瘤を主訴に来院し,下咽頭癌と診断され入院した.術前透視,内視鏡検査では食道に病変を認めず,下咽頭と共に抜去された食道のルゴール染色を併用した肉眼的検査でも異常はなかったが,組織検査により2個の上皮内微小癌病巣を認めた.2症例とも下咽頭および食道の病巣は扁平上皮癌であったが,食道病巣に脈管侵襲を認めなかったため重複癌と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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