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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻11号

1986年11月発行

今月の主題 消化性潰瘍のトピックス(2)―胃粘膜防御機構を中心に

主題

胃粘膜形態と防御機構

著者: 竹本忠良1 多田正弘1 荻野景規1 松田和也1 柳井秀雄1 苅田幹夫1 岡紳爾1 川野博章1 嶋田正勝1 坂井田功1

所属機関: 1山口大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1165 - P.1172

文献概要

要旨 胃粘膜防御機構に関して,萎縮性胃炎,腸上皮化生,あるいは表層性胃炎といった慢性胃炎による変化を,全く除外して考えることは,困難である.AGMLを臨床病理学的に検討すると,慢性胃炎,腸上皮化生を背景にしては,発生しにくいことが明らかになった.また,粘膜血流,SOD(super oxide dismutase)の検討では,慢性胃炎,特に腸上皮化生粘膜は,barrier breaker投与によって引き起こされる粘膜の虚血に対して強い傾向がみられた.われわれは,AGMLは胃粘膜全域に及ぶ変化であり,その広汎な変化のなかに粘膜出血,びらん,潰瘍が局在的に形成される病態であると考えている.この局在して形成されるびらん,潰瘍の発生と程度は,慢性胃炎,特に腸上皮化生によって左右される可能性が大きいと推定している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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