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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻11号

1986年11月発行

今月の主題 消化性潰瘍のトピックス(2)―胃粘膜防御機構を中心に

主題

胃粘液の画像解析―リン脂質を含めて

著者: 浅田修二1 白木正裕1 平田一郎1 三好博文1 阿部和夫1 芦田潔1 折野真哉1 鄭鳳鉉1 林勝吉1 奥村泰啓1 大坂直文1 大柴三郎1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科

ページ範囲:P.1173 - P.1181

文献概要

要旨 胃粘膜防御因子の中でも攻撃因子から直接的に胃粘膜を守っているのは胃粘液ゲル層およびその下のリン脂質の疎水層であると考えられている.胃粘液は胃粘膜表面ならびに表層上皮細胞中に豊富に分布し,組織化学的方法により容易にその性状,分布を同定できるが,定量的な把握は困難であった.筆者らは画像処理装置(VIP)を使用して,PAS染色組織標本中の胃粘膜固有層に占めるPAS陽性粘液部分の割合を面積比(%)として計測し,PAS陽性粘液を数量化して検討した.その結果,慢性胃潰瘍症例の潰瘍辺縁粘膜の粘液量は治癒期に増加し,瘢痕期には減少した.また健常ボランティアに抗炎症剤を投与したところ胃粘液量は減少し,潰瘍性病変が発生した.これらのことから潰瘍の発生,治癒には胃粘液が深く関与しているものと推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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