icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻11号

1986年11月発行

今月の主題 消化性潰瘍のトピックス(2)―胃粘膜防御機構を中心に

主題

形態学からみた胃粘膜細胞保護作用

著者: 小林絢三1 荒川哲男1 山田博明1 中村肇1

所属機関: 1大阪市立大学医学部第3内科

ページ範囲:P.1189 - P.1197

文献概要

要旨 細胞保護作用は壊死惹起物質(胃酸の存在がなくとも病変を惹起しうる)による病変の発生を阻止する働きであり,プロスタグランディン(PG)がそれを示す代表的物質であることが明らかにされている.したがって,制酸剤あるいはH2ブロッカーなどの酸分泌抑制剤が示す抗潰瘍作用とは明らかに一線を画すべきものである.また,その評価はあくまで肉眼視を基本とし,それに組織学的(超微形態)所見を加味して判定する.こうした動物でみられる細胞保護作用がヒトでも認められるかにつき検討を加えた.健常ボランティアを対象としてエタノールを胃内に投与し,壊死病変を作製した.これに対して,PG,内因性PG合成増強作用を持つものの前処置がその発生を阻止することから,ヒトにおいても細胞保護作用を評価することが可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら