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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻11号

1986年11月発行

今月の主題 消化性潰瘍のトピックス(2)―胃粘膜防御機構を中心に

主題

抗潰瘍薬の新しい評価法を求めて―潰瘍治癒速度および再発速度の統計学的解析

著者: 木村健1 吉田行雄1 笠野哲夫1 広瀬完夫1 鈴木勉1

所属機関: 1自治医科大学消化器内科

ページ範囲:P.1199 - P.1205

文献概要

要旨 消化性潰瘍の累積未治癒率あるいは累積未再発率の近似式は時間tの指数関数y=Ae-ktで表される.現実にはy=100:0≦t<Ti,y=100e-k(t-Ti):Ti≦tとなる.これより求められる理論値は観測値と極めてよく一致する.この式より求める回帰パラメーターはいずれも潰瘍の治癒速度,あるいは再発速度を表すものであり,k:未治癒率(未再発率減少速度定数),Ti:治癒(再発)発現期,T1/2:未治癒率(未再発率)半減期,T50:50%治癒(再発)時間と定義できる.この方法により,潰瘍の治癒と再発の速度論的解析が可能であり,今後,薬効評価はもとより,潰瘍の治癒と再発を規制する種々の因子の数量的評価に応用できるものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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