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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻11号

1986年11月発行

文献概要

今月の主題 消化性潰瘍のトピックス(2)―胃粘膜防御機構を中心に 座談会

消化性潰瘍治療上の諸問題(2)―胃粘膜防御機構を中心に

著者: 北島政樹1 八尾恒良2 森賀本幸3 寺野彰4 大柴三郎5 小林絢三6

所属機関: 1杏林大学第1外科 2福岡大学筑紫病院内科・消化器科 3京都大学第1内科 4中央鉄道病院消化器内科 5大阪医科大学第2内科 6大阪市立大学第3内科

ページ範囲:P.1206 - P.1222

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 大柴(司会) 本日は“消化性潰瘍治療上の諸問題―胃粘膜防御機構を中心に”というテーマで座談会を始めさせていただきます.主題については「胃と腸」にふさわしい題材をということで2つの条件を設定しました.その1つは,ヒト潰瘍についてのものであること.実験動物だけのものはやめるということです.もう1つは,図表とか,数字だけでなく,絵になるものでなければ困るということです.この2つの条件を設定して,それによって主題を選びました.したがって,生化学的な問題や機能的な問題はかなり欠けていますので,それはこの座談会で討論をしていただきたいと考えております.

 ご存じのように,胃が強い酸性環塊にありながら障害も受けず,健全に作業を営んでいるということに対する疑問は100年も前から囁かれ,何らかの防御機構があるのではないかということで,粘液ゲル層の問題,上皮細胞の問題が取り上げられてきたわけです.最近では更にプロスタグランデイン(以下PG)の問題bicarbonate分泌の問題,更にphospholipidの疎水barrierの問題,cellcycleの問題などが浮かび上がってきております.

 それらをコントロールするものの中に微小循環の問題とか,各種消化管ホルモンなどがどんな位置づけで動いているか.いずれにしても,これらの因子の1つ1つが独立して動いているものではない.お互いに網の目のような形で相互作用を持つのではないだろうかと思われているわけですが,今日はそれぞれの領域の専門の先生方にまずこの防御機構1つ1つについて簡単にお話をお伺いしたいと思います.それでは北島先生からお願いします.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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