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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻11号

1986年11月発行

文献概要

症例

非特異性多発性大腸潰瘍の1例

著者: 乾和郎1 中澤三郎1 芳野純治1 中江良之2 松井俊治2 加納潤一2 磯谷俊雅2 二村雄次3 鳥本雄二3 土江健嗣3 筒井修一4 社本幹博5

所属機関: 1名古屋大学医学部第2内科 2八千代病院内科 3名古屋大学医学部第1外科 4知立クリニック 5名古屋保健衛生大学病理

ページ範囲:P.1249 - P.1255

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要旨 患者は41歳男性で,慢性糸球体腎炎のため約10年前より,週3回の血液透析を受けていたが,下腹部痛のため来院した.注腸X線検査および大腸内視鏡検査にて,上行結腸に2個の全周性潰瘍と横行結腸に1個の小潰瘍を認めた.生検ならびに切除標本の病理組織学的検査にて,非特異性大腸潰瘍と診断したが,潰瘍底にサイトメガロウイルスによる核内封入体を認め,潰瘍形成とサイトメガロウイルス感染の関連が示唆された.また,腎不全患者あるいは腎移植後患者に発生した非特異性大腸潰瘍は極めてまれであり,若干の文献的考察を加えて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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