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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻12号

1986年12月発行

文献概要

今月の主題 大腸のvillous tumor 主題

大腸villous tumor50例の臨床病理学的検討

著者: 味岡洋一1 内田克之1 田口夕美子1 野田裕1 渡辺英伸1

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.1285 - P.1293

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要旨 大腸のvillous tumor手術例(腺腫11例,早期癌13例,進行癌26例を含む)50例を対象として,それらの肉眼的特徴,villous adenomaの癌化率を検討した.villous tumorの81.8~88.5%は絨毛状~乳頭状突起の集簇より成る表面性状を持っており,肉眼的に診断しえた.癌病巣のうち,塊状に粘膜下層に浸潤した早期癌と進行癌は潰瘍,陥凹,小区の癒合,破壊像のいずれかの肉眼所見を示し,100%癌の肉眼診断は可能であった.粘膜内癌のうち,上記所見を示したものを除く78%の癌は肉眼的に診断できなかった.進行villous carcinomaでも,癌辺縁粘膜隆起が正常粘膜から成るもの(粘膜下層に塊状に癌が浸潤している所見で,進行癌を疑わせる)は15/26例(57.7%)にすぎず,残りの42.3%は早期癌との鑑別が困難であった.villous adenomaの癌化率は,高異型(high grade atypia)の部分を腺腫とすると73.8%,癌とすると72.7%であり,組織異型度の基準の差を考慮しても差はなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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