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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻12号

1986年12月発行

文献概要

今月の主題 大腸のvillous tumor 主題

大腸villous tumorの病理診断

著者: 廣田映五1 花城清史1 滝沢千晶1 板橋正幸1 北条慶一2 森谷宜晧2 小黒八七郎3 牛尾恭輔4 山田達哉4

所属機関: 1国立がんセンター研究所病理部 2国立がんセンター病院外科 3国立がんセンター病院内科 4国立がんセンター病院放射線診断部

ページ範囲:P.1295 - P.1302

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要旨 われわれの経験した大腸腺腫症例の亜分類を行い,それらと癌との関係を統計的に解析した.1975年末までの国立がんセンターの手術例の集計によると,大腸腺腫性ポリープ111病巣中4病巣(3.6%)が絨毛腺腫であった.1985年末までのポリペクトミー材料の集計によると483個のうちわずかに3個(0.6%)と極めて低率である.一方,多かれ少なかれ絨毛成分を有している腺管絨毛腺腫の頻度は比較的多く163個(33.8%)で,癌化率も34.4%と比較的高かった.1985年末までに経験した早期大腸癌164例177病巣について大きさ別に腺腫成分の共存率をみた.典型的な絨毛腺腫との共存例は少なく8病巣(4.5%)であったが,腺管絨毛腺腫は84病巣(47.5%)とかなり高率であった.このことは現在までに発見されている早期大腸癌は絨毛腺腫より腺管絨毛腺腫を前癌病変としているものの占める割合が高い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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