icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻12号

1986年12月発行

文献概要

今月の主題 大腸のvillous tumor 主題

大腸絨毛腫瘍(腺腫・早期癌)の内視鏡的検討

著者: 長谷川かをり1 屋代庫人2 長廻紘2

所属機関: 1東京女子医科大学第2病理 2東京女子医科大学消化器病センター内科

ページ範囲:P.1325 - P.1333

文献購入ページに移動
要旨 1983年から1986年6月までにポリペクトミー,手術を行った652個の腺腫,早期癌を対象にtubular,villotubular,villousの3つの組織型別に発生頻度,癌化率を形,大きさの要素を加えて検討し,villous tumorと他の2つの亜型との相違をみた.それに従って内視鏡肉眼所見について検討した.villous tumorの定義はvillousの要素が80%以上占めるものとした.villous tumorは15個あり,腺腫・早期癌全体の2%を占めた.有茎,無茎性ともにその2%を占め,形による頻度の差はなかった.1例を除き直腸S状結腸に存在した.1cm以下のvillous tumorはなく,大きさが増すにつれてvillous tumorの頻度は増した.腺腫はすべてtubularとして生じ,発育のある時期に種々の程度にvillousの要素が加わることが推定された,villous tumorの頻度が高いのは2~3cmの有茎,4cm以上の広基性のグループであった.癌化率は80%で同じサイズでみた他の亜型より高く,特にsm癌の頻度が33%(villotubular 11%,tubular 8%)と高かった.手術の対象となるような大きな広基性腫瘍は内視鏡的にvillous tumorと診断することは容易であるが,それ以外のものでは他の亜型との鑑別診断は不可能であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら