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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻12号

1986年12月発行

今月の主題 大腸のvillous tumor

主題

大腸villous tumorの診断―組織所見と切除標本肉眼所見,X線および内視鏡所見との比較を中心に

著者: 飯田三雄1 岩下明徳2 八尾恒良3 桑野恭行1 興梠憲男1 松井敏幸1 藤島正敏1 北川晋二4 坂本清人5 田中啓二6 大岩俊夫7

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2松山赤十字病院検査部病理 3福岡大学筑紫病院消化器科 4九州大学医学部放射線科 5公立学校共済組合九州中央病院内科 6福岡市医師会成人病センター 7大岩外科胃腸科医院

ページ範囲:P.1343 - P.1355

文献概要

要旨 villousあるいはtubulovillousと判定された大腸腫瘍46例47病変と,tubular adenoma9例10病変を合わせた57病変を対象とし,組織所見と切除標本肉眼所見,X線および内視鏡所見とを比較検討した.その結果,組織所見と切除標本肉眼所見の間に良好な相関性が認められた.すなわち,組織学的なvillous成分の増加と共に,腫瘍表面の絨毛状~顆粒状パターンが顕著となり,結節状パターンは減少した.また,X線および内視鏡所見も組織所見とよく相関し,組織学的なvillous成分の増加と共に,X線上の網目状~顆粒状パターンおよび隆起辺縁の毛羽立ちが,内視鏡上の微細顆粒状~絨毛状パターン,粘液付着および特徴的な色調(中等度ないし軽度の発赤を呈し,部分的に白色調を認める)がそれぞれ顕著となった.そして,これらvillous tumorに特徴的なX線・内視鏡所見は,組織学的なvillous成分が腫瘍全体の約3/4以上を占める症例(VおよびV>T)で高頻度に出現した.したがって,villous tumorは,組織学的なvillous成分が腫瘍全体の約3/4以上を占めるものに限定されるべきであると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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