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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻12号

1986年12月発行

症例

顆粒集簇を主体とした大腸隆起性病変の4症例―X線像による経過を中心に

著者: 石川勉1 牛尾恭輔1 笹川道三1 山田達哉1 吉田茂昭2 小黒八七郎2 森谷宜晧3 北條慶一3 小山靖夫3 板橋正幸4 廣田映五4

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2国立がんセンター内科 3国立がんセンター外科 4国立がんセンター研究所病理

ページ範囲:P.1373 - P.1380

文献概要

要旨 大腸隆起性病変の中には,非常に広範な病変でありながら背が低く,その表面性状が大小の顆粒像から成る症例がまれに認められる.文献上,類似する症例の報告が散見されるが,その実態は十分解明されていない.そこでわれわれは,このような症例の蓄積に努めるうちに,経時的・遡及的に検討しえた4例を経験した.この4例に共通する特徴は,病変の拡がりに比較して背が低く,その表面に大小の顆粒像が認められることであった.組織学的には,4例中最終的に切除された2例とも,病変の大部分は絨毛腺管腺腫像から成っていた.また,2例は一部に小さな癌巣を認めた.経過観察中の2例の生検組織像は腺腫であった.次に,注腸X線写真で経時的・遡及的に検討した結果,その初期形態はわずかな顆粒像であり,経過と共に顆粒の集簇した形態を保持したまま,側方への腫瘍径の著明な増大が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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