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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻2号

1986年02月発行

文献概要

研究

イヌの実験胃癌からみた未分化型癌(印環細胞癌)の組織発生

著者: 鎌野俊紀1 桑原紀之2 滝和博2 水上健1 東昇1 田村順二1 片見厚夫1 佐藤輝彦1 城所仂1

所属機関: 1順天堂大学医学部第1外科 2順天堂大学医学部第1病理

ページ範囲:P.171 - P.176

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要旨 イヌの大腸に実験大腸癌を作製すべく,ENNG含有坐剤を経肛門的に連投し,進行直腸癌のほかに,2頭のイヌに多発微小胃癌を認めた.この胃の詳細な組織学的検索により,印環細胞癌が腺頸部の単一腺管内に存在することを示唆する所見を得,2層構造,萎縮を伴わず,直接腺管から押し出されるようにして内腔および粘膜固有層に拡がる像を見つけることができた.この像は印環細胞癌の発生点および粘膜固有層へ浸潤する,今までに認められていないごく初期の像と思われ,その組織発生,増殖を論じるうえで非常に興味深い所見と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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