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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻2号

1986年02月発行

文献概要

症例

回盲部に発生した非特異性多発性潰瘍の1例

著者: 寺田紘一1 長田裕典1 村上仁1 久禮三子雄1 酒井弘典1 近藤慶二1 岩田克美2 上杉和孝2 森田荘二郎3

所属機関: 1高知県立中央病院外科 2高知県立中央検査室 3細木病院外科

ページ範囲:P.195 - P.200

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要旨 患者は49歳の男性.間歇的な腹痛と下痢のため2年間で12kgの体重減少がみられたので来院・小腸X線検査では回腸に粘膜皺の集中を伴う潰瘍性病変が多発していたので右半結腸切除術を行った.切除標本では境界鮮明で粘膜皺の集中を伴う慢性の潰瘍性病変を回腸に12個,回盲弁上に1個,上行結腸に2個を認め,盲腸に1個の憩室がみられた.組織学的には乾酪変性やサルコイド様肉芽腫のみられない非特異性,Ul-Ⅳの慢性潰瘍であった.術後1年8か月を経た現在,口腔内アフタ以外のBehcet病の臨床症状は認められず経過は良好である.このような症例には術中の内視鏡下の観察が有用であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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