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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻2号

1986年02月発行

症例

著明な腸管狭窄を来した結腸malignant fibrous histiocytomaの1例

著者: 矢作和也1 荒井泰道1 松本純一1 家崎桂吾1 近藤忠徳1 神坂幸次2 松沢達治2 鈴木豊3

所属機関: 1伊勢崎市民病院内科 2伊勢崎市民病院外科 3伊勢崎市民病院病理

ページ範囲:P.215 - P.219

文献概要

要旨 患者は60歳女性.主訴は左上腹部痛.注腸X線検査において下行結腸上部に狭窄を認めた.内視鏡検査では粘膜に著変はないが,狭窄のため更に口側へは挿入不能であった.以上より結腸腫瘍を疑い手術を施行した.腫瘍は下行結腸のほぼ脾彎曲部に存在し,間膜側を中心にほぼ全周性に浸潤,著明な腸管の狭窄を呈していた.しかし,粘膜面には変化はなく,リンパ節および周辺臓器への明らかな転移も認められなかった.左側結腸切除,脾摘,膵尾部切除および横行結腸S状結腸端端吻合を施行した.腫瘍の大きさは6×3.2×1.4cm,割面は白黄色,漿膜下組織に存在し,一部筋層に浸潤,組織学的にはmalignant fibrous histiocytoma(MFH)であった.術後6か月で右後腹膜に再発を認め,3年6か月後死亡した.MFHは主として四肢および後腹膜軟部組織に発生し,消化管原発のMFHは本例も含め内外で5例の報告があるにすぎない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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