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今月の主題 大腸早期癌診断におけるX線と内視鏡との比較 主題
大腸癌早期発見の立場からみたX線・内視鏡同日併用検査のメリット・デメリット
著者: 豊原時秋1 望月福治1 伊東正一郎1 池田卓1 長野正裕1
所属機関: 1仙台市医療センター消化器内科
ページ範囲:P.243 - P.250
文献購入ページに移動と注腸X線検査による同日併用検査を考案し,本法のメリット・デメリットについて検討した.検査対象は,大腸集検で発見した早期大腸癌13例(16病変),大腸ポリープ116例(148病変)と大腸集検以外で発見した早期大腸癌7例(7病変),大腸ポリープ27例(67病変),総計163例(238病変)である.同日併用検査のメリットは,①疾患の多い直腸,S状結腸のダブルチェック,すなわちX線像の重複による病変の見落としの防止,②X線併用により深部結腸が診断可能,③下部大腸を主として内視鏡で観察するため,骨盤部のX線撮影を省略することもでき,放射能被曝の軽減化につながる,④長尺ファイバースコープによる検査の苦痛の軽減,⑤より多くの小ポリープの発見,などであった.一方,デメリットは,①手数が掛かる,②コスト高,③ファイバースコープを先行させるため,腸管への刺激と腸管内に空気が入り二重造影像の条件が悪い,④放射能障害の問題,⑤ファイバースコープの消毒不完全,などであった.
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