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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻3号

1986年03月発行

文献概要

今月の主題 大腸早期癌診断におけるX線と内視鏡との比較 主題

大腸癌早期発見の立場からみたX線・内視鏡同日併用検査のメリット・デメリット

著者: 豊原時秋1 望月福治1 伊東正一郎1 池田卓1 長野正裕1

所属機関: 1仙台市医療センター消化器内科

ページ範囲:P.243 - P.250

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要旨 大腸癌の早期発見を目的とした場合,全大腸にわたる隆起性病変を探索しなければならない.この観点から,われわれはS状結腸ファイバースコープ

と注腸X線検査による同日併用検査を考案し,本法のメリット・デメリットについて検討した.検査対象は,大腸集検で発見した早期大腸癌13例(16病変),大腸ポリープ116例(148病変)と大腸集検以外で発見した早期大腸癌7例(7病変),大腸ポリープ27例(67病変),総計163例(238病変)である.同日併用検査のメリットは,①疾患の多い直腸,S状結腸のダブルチェック,すなわちX線像の重複による病変の見落としの防止,②X線併用により深部結腸が診断可能,③下部大腸を主として内視鏡で観察するため,骨盤部のX線撮影を省略することもでき,放射能被曝の軽減化につながる,④長尺ファイバースコープによる検査の苦痛の軽減,⑤より多くの小ポリープの発見,などであった.一方,デメリットは,①手数が掛かる,②コスト高,③ファイバースコープを先行させるため,腸管への刺激と腸管内に空気が入り二重造影像の条件が悪い,④放射能障害の問題,⑤ファイバースコープの消毒不完全,などであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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