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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻3号

1986年03月発行

今月の主題 大腸早期癌診断におけるX線と内視鏡との比較

主題

大腸腺腫・早期癌診断における内視鏡の立場―total colonoscopy例による検討

著者: 長廻紘1 長谷川かをり1 飯塚文瑛1 屋代庫人1 野口友義1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.259 - P.269

文献概要

要旨 total colonoscopy症例をもとに大腸の腺腫・早期癌の検討を行い次の結果が得られた.①小さなポリープは大腸内に比較的均一に分布した.②大きなポリープ,特に早期癌は左側大腸に多かった.③右側大腸にポリープが約20%,早期癌が約10%あった.④60歳以上では右側ポリープが全体の約1/4を占めた.⑤早期癌は症例で23%,個数で14%を占めた.m癌48個,sm癌7個であった.⑥癌化率は左側大腸で高い傾向がみられた.中高年者では腺腫・早期癌を目的にcolonoscopyを行うときにはtotal colonoscopyが望ましい.大腸の内視鏡検査では炎症性疾患が対象になるとき(若年者,血便)は病変の有無,したがって病変の一部を観察できれば,検査目的の大部分を達したことになるが,中高年者では全大腸をみて初めて,検査を行った,と言える.“all or nothing”である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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