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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻3号

1986年03月発行

文献概要

今月の主題 大腸早期癌診断におけるX線と内視鏡との比較 主題

左側結腸における大腸早期癌診断の実態―実地医家の立場から

著者: 野垣茂吉1 野垣正樹1 野垣正宏1 北野寛1 河田健介1 木村弘1 升森茂樹1 尾関武郎1

所属機関: 1野垣病院

ページ範囲:P.281 - P.285

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要旨 1978年度以降1985年3月に至る7年間に名古屋市野垣病院で発見された大腸腺腫1,047症例1,272個,大腸癌669症例690個(うち早期癌208症例228個)の拾い上げ成績を分析した.早期癌は全大腸癌の約330%を占め,しかもその89%が下行結腸以下の左側結腸に見出された.早期癌の拾い上げ手段は肛門からの病変脱出,直腸指診,肛門鏡,直腸鏡検査またはsigmoidoscopyなど下部大腸検査法によるものが32%を占め,その中にはたまたま痔核などの肛門手術中に発見されたものも少数ながら散見された.しかしながら全大腸の網羅性を有するX線検査またはtotal colonofiberscopyによるものが全体の68%を占め,特に大腸の隆起性病変が強く疑われる患者,高齢者,遠方よりの来院患者には外来における注腸X線検査とtotal colonofiberscopyの同日併用による大腸癌精密スクリーニングが最も効率的と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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