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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻3号

1986年03月発行

文献概要

症例

良悪性の鑑別が困難であった直腸リンパ性ポリープの1例

著者: 赤松泰次1 白井忠1 山口孝太郎1 古田精市1 勝山努2 丸山雄造3

所属機関: 1信州大学医学部第2内科 2信州大学中央検査部病理 3長野県がん検診センター検査部

ページ範囲:P.313 - P.319

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要旨 排便時の新鮮血付着を主訴とする68歳女性の直腸後壁に発生した大きなリンパ性ポリープの1例を報告した.注腸X線検査および内視鏡検査所見から,中心にわずかなびらんを有する半球状の粘膜下腫瘍と考えられた.生検で,Group 1(炎症性ポリープ)と診断され,外科的局所切除術を行った,組織学的には萎縮した直腸粘膜と,粘膜固有層から外膜に及ぶ著しいリンパ球の浸潤および胚中心を有するリンパ濾胞様構造の腫大・増生を認め,当初benign lymphoid hyperplasiaと診断された.しかし,後に悪性リンパ腫との鑑別が問題となった.経過は良好で,術後3年経った現在も再発はみられていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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