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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻3号

1986年03月発行

文献概要

症例

低蛋白血症を伴った多発性胃腺型腺腫と考えられた1例

著者: 草場通1 池園洋1 鶴田修1 前川隆一郎1 大久保和典1 大曲和博1 鴨井三郎1 池田英雄1 上田隆1 佐野幸寛1 上田俊明1 佐々木英1 豊永純1 谷川久一1 杉原茂孝2 笹栗靖之3 森松稔3

所属機関: 1久留米大学医学部第2内科 2久留米大学医学部第1病理 3久留米大学医学部第2病理

ページ範囲:P.333 - P.337

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要旨 60歳女性.吐血を主訴に来院.入院時検査で貧血と低蛋白血症を認め,上部消化管造影および胃内視鏡検査で胃体部の腺境界領域に弧状に配列する大小不同の多発性ポリープを認めた.生検診断では過形成性ポリープが疑われたが出血持続したため胃切除術を施行.切除胃の組織学的検索ではポリープは間質に乏しく,胃腺窩上皮あるいは幽門腺類似の腺管の腫瘍性増殖を主体としたものであった.以上より同ポリープは喜納らの言う胃腺型腺腫と診断された.また術後血清蛋白の改善をみ,結果的に低蛋白血症は同ポリープよりの蛋白漏出が疑われた.以上,低蛋白血症を伴った胃腺型腺腫と老えられた1例を報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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