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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻3号

1986年03月発行

文献概要

症例

小Ⅱc様早期十二指腸癌の1例

著者: 瀬尾充1 山本勉1 八尾恒良1 有馬純孝2 村山寛3

所属機関: 1福岡大学医学部第1内科 2福岡大学医学部第1外科 3福岡大学医学部第1病理

ページ範囲:P.339 - P.344

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要旨 57歳男性.胃潰瘍の治療目的にて入院中,胃十二指腸造影で十二指腸球部より第二部にかけて数個の隆起性病変が見出された.低緊張性十二指腸造影にて同部に数個の隆起性病変と,大乳頭の後壁寄りにバリウム斑が描出された.内視鏡検査では乳頭口側に隆起病変を,肛門側に不規則な陥凹性病変を認めた.内視鏡直視下生検にて,隆起性病変はBrunner腺の過形成,陥凹性病変は低分化粘液腺癌と診断された.以上より十二指腸第二部の癌と診断し胃部分切除および膵頭部十二指腸切除術を施行しChild法にて再建した.切除標本では大きさ1.3×1.0cm,肉眼的にはⅡcで病理組織学的には低分化粘液腺癌で深達度はsmであった.文献上,本例は本邦十二指腸第二部の早期癌としては第8例目,陥凹型の早期癌としては第3例目に当たると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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