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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻4号

1986年04月発行

文献概要

今月の主題 Ⅱb型早期胃癌の診断 主題

純粋Ⅱb型早期胃癌の臨床病理学的観察

著者: 中村賢二郎1 森正樹1 黒岩重和1 遠城寺宗知1 住吉金次郎12 中山文夫2

所属機関: 1九州大学医学部第2病理 2九州大学医学部第1外科

ページ範囲:P.363 - P.370

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要旨 厳しい定義を満たす純粋Ⅱb 16例17病巣のうち,術前に癌の存在が診断されていたものは10病巣で,7病巣は病理組織学的検索で初めて診断された.組織型は13病巣が分化型癌,4病巣が未分化型癌であった.癌の発育様式は,病巣中心部では10病巣(59%)が表層型の拡がりを示し,発育先進部では11病巣(65%)が浸潤型の発育を示した,更に8病巣(47%)は中心部表層型,先進部浸潤型を示し,このような発育型式の組み合わせが,対照として用いた隆起型・陥凹型早期癌に比し多くみられた.他方,中心部で全層型発育を示す例もみられたが,このような例では構造異型の軽度な癌腺管より成っていた.また先進部で膨張型発育を示すものは全例分化型癌で,癌腺管の密度が低い傾向にあった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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