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今月の主題 Ⅱb型早期胃癌の診断 主題症例
Congo red-methylene blue testで診断しえた典型Ⅱb型早期胃癌の1例
著者: 坂村泰久1 竜田正晴 石黒信吾2
所属機関: 1大阪府立成人病センター消化器内科 2大阪府立成人病センター病理
ページ範囲:P.427 - P.430
文献購入ページに移動表面平坦型早期胃癌Ⅱbは従来組織学的に初めて診断されるような微小癌が主体を占め,Ⅱb=微小胃癌と考えられてきたが,谷口は微小癌としての点状Ⅱb以外に,数cmに及ぶ拡がりを持った面状Ⅱbが存在することを指摘している.内視鏡的には点状Ⅱbでは存在診断そのものが問題となり,面状Ⅱbではその拡がりを正確に診断することが問題となる.
内視鏡的には類似Ⅱb,1cm以上のⅡb,単発Ⅱbでは術前に"癌"と診断可能なものが多いが,典型Ⅱb,1cm以下のⅡb,副病変としてのⅡbの内視鏡診断成績は著しく不良である,特に典型Ⅱbでは内視鏡的には,粘膜の褪色,アレア像の異常,低凹凸,異常発赤,易出血など慎重に撮影し読影しなければ見逃されてしまうような軽微な所見を呈し,背景胃粘膜としての胃炎性変化との鑑別が困難なものが多く,また病変存在部が撮影されているにもかかわらず,何らの異常所見も指摘できないものも少なくない.
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