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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻4号

1986年04月発行

文献概要

症例

16歳少女に発生した胃原発の形質細胞腫の1例

著者: 中野貞生1 山崎雅彦1 横田広子1 山尾令1 高木敬三2 下田忠和2 鈴木雅雄3

所属機関: 1中野胃腸病院 2東京慈恵会医科大学病理 3岐阜大学医学部放射線科

ページ範囲:P.431 - P.437

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要旨 患者は16歳女性,主訴は心窩部痛,病悩期間約6か月.入院時理学的ならびに臨床検査所見は糞便潜血反応陽性のほか特記すべき所見は認められなかった.胃X線,内視鏡および生検組織診断では,いずれも悪性リンパ腫と診断,手術された.切除標本肉眼所見は胃角より前庭部にかけて表層型悪性リンパ腫の像を呈した.病理組織検査では主として粘膜層内に,核の偏在,異型を伴う大小不同の形質細胞のびまん性の増殖がみられ,形質細胞腫と診断され,更に免疫組織学的検索によってIgM-λ型免疫グロブリンが同定された.そこで単クローン性免疫グロブリン産生の形質細胞腫と診断された.術前・術後の全身骨,骨髄像,他臓器,器官組織には異常は全く認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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