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文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻4号

1986年04月発行

文献概要

症例

Right-sided型潰瘍性大腸炎の1例

著者: 多田正大1 清水誠治1 川井啓市2 山本実3 原田稔3 服部隆則4

所属機関: 1京都第一赤十字病院第2内科 2京都府立医科大学公衆衛生 3高折病院 4福井医科大学病理

ページ範囲:P.447 - P.453

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要旨 潰瘍性大腸炎は直腸を含めて,びまん性にびらん・潰瘍を形成する慢性炎症でありその典型例のX線・内視鏡診断は容易である.しかし区域性大腸炎や右側結腸炎型の非典型的な病像を呈する場合にはCrohn病や腸結核との鑑別が問題になる.下痢を主訴とする18歳の女性に対する注腸・内視鏡検査で,横行結腸から盲腸にかけての右半結腸にびまん性のびらん,Haustraの消失と腸管の短縮・狭小化がみられた.経過観察中に横行結腸に小さな偽憩室も形成された.右半結腸切除術により本例はright-sided型潰瘍性大腸炎と診断されたが,遡及的にX線・内視鏡像を振り返ってみると,病変部が右側結腸に限局していたことを除いて,その炎症所見は潰瘍性大腸炎の所見に合致すると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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