icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸21巻4号

1986年04月発行

文献概要

初心者講座

早期胃癌の見つけ方(4)

著者: 八尾恒良1 渕上忠彦2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2松山赤十字病院胃腸センター

ページ範囲:P.459 - P.462

文献購入ページに移動
I.胃癌の診断根拠について―その2

 前回,未分化型癌の1例を呈示し,その境界線の特徴について述べた.今回呈示した〔症例1〕は,分化型癌(深達度m)の症例である.X線像で,外側に向かって凹で,“けば立ち”を有する境界線が認められ,この所見のみからⅡc型胃癌と診断することができる.この境界線は,通常内視鏡b)では明らかに認識できず,色素内視鏡c)で明瞭に描出されている.

 しかし,肉眼標本d)は“自然に柔らかく伸展され固定された”標本ではなく,特徴的な境界線も,その周辺の様相も知ることができない.一般に境界線や小区像の特徴は,生標本の写真や粘液が付いたままの切除標本肉眼写真では検討ができない.“マクロより,X線や内視鏡のほうがよくわかる”という発言をよく耳にするが,本当はマクロの取り扱いが悪いと考えるべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら